「ECサイトを作りたいけれど、Shopify・BASEのようなサービスを使わず、WordPressで自分で構築したい」という方に向けて、この記事ではWordPress+ECプラグイン(Welcart・WooCommerce)で自社ECサイトを作ると決めた場合に、事前に決めておくべき技術的な項目を整理します。
どのECサービスを使うか自体で迷っている方は、まずECサイトはどれがいい?主要サービスの特徴と、あなたに最適な選び方をご覧ください。
また、決済・物流・特定商取引法まわりの運営・法務の準備はECサイトを作る前に決めること|デザインより重要な「運営・法務」の準備で詳しく解説していますので、そちらとあわせて確認していただくのがおすすめです。
この記事では、それらとは別の切り口として、「プラグインを自分で選び、自分で設定する」段階で決めておくべきことに絞って解説します。
WordPressでECサイトを作る場合、代表的な選択肢は「Welcart Shop」と「WooCommerce」の2つです。
私自身、両方のプラグインでの構築経験がありますが、それぞれ得意分野が異なります。
| 比較項目 | Welcart | WooCommerce |
|---|---|---|
| 日本語対応・国内の決済連携 | 最初から日本向けに作られており設定しやすい | プラグインを追加して連携させる必要がある |
| 拡張プラグインの数 | 少なめ | 世界的に利用者が多く豊富(必須プラグインまとめ参照) |
| 商品CSV一括登録 | 標準機能で対応 | プラグインで対応可能 |
| 学習コスト | 国内情報が多く比較的低い | 海外情報が中心でやや高め |
| 向いている方 | 国内向け中心、法務まわりを手早く整えたい方 | 拡張機能を組み合わせて細かくカスタマイズしたい方 |
「とりあえず日本国内向けに素早く立ち上げたい」ならWelcart、「将来的に機能を拡張していきたい、既に他のプラグインで慣れている」ならWooCommerce、というのが実務上の判断基準になります。
Welcart・WooCommerceともに、標準では使用言語を1つしか選べません。海外にも対応する場合は、WordPressをマルチサイト化するなどして「日本語サイト」と「英語サイト」という2つの仕組みを持つ必要があります。
「英語サイト」を作るということは、作業量がおよそ1.7倍になることを踏まえてスケジュールを組んでおくとよいでしょう。
国内向けのみで始めて、需要を見てから多言語化を検討する、という段階的な進め方も現実的な選択肢です。
Welcart・WooCommerceともに会員機能が用意されていますが、使う場合は住所やメールアドレスなどの個人情報を自分のサーバーで管理する責任が発生します。
個人情報漏洩のリスクを踏まえたうえで、本当に会員機能が必要か(リピーター向けの割引施策などに使うのか)を先に決めておきましょう。
SSLの導入は、この判断に関わらず必須です。
基本的な考え方は【初心者必見】SSLの必要性とウェブサイトの安全対策で解説しています。
決済手数料や審査にかかる期間といったお金・時間の話は前述の運営・法務の準備の記事に譲り、ここではプラグイン側の設定で押さえておきたい実務ポイントを挙げます。
送料の金額設定や配送業者との契約交渉といったコスト面の話は運営・法務の準備の記事で詳しく解説しているので、ここではプラグイン側で決めておく設定方針だけ簡単に触れます。
WelcartもWooCommerceも、商品ごとに個別送料を設定する方法と、全国一律送料を設定する方法の両方に対応しています。
商品点数が少ないうちは全国一律、サイズや重量の差が大きい商品を扱うようになったらサイズ・地域別、というように、商品ラインナップに合わせて設定方針を選ぶと運用の手間を抑えられます。
サイトは公開した瞬間から、注文確認メール・発送完了メール・お問い合わせ自動返信メールなどが動き始めます。
WelcartもWooCommerceも標準のメールテンプレートを持っていますが、そのままだと事務的すぎる印象になりがちです。
件名は「【〇〇ショップ】ご注文ありがとうございます」のように分かりやすくし、本文には注文内容(商品名・数量・金額)と次に何が起きるか(発送予定日など)を必ず記載しましょう。
プラグインの設定画面からテンプレートを編集し、公開前に自分宛てにテスト注文をして、実際に届くメールを一通り確認しておくことをおすすめします。
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| プラグイン選定 | Welcart・WooCommerceのどちらを使うか、比較表をもとに決めたか |
| 多言語対応 | 海外対応の要否と、作業量が増える前提でスケジュールを組んだか |
| 会員機能 | 使う必要があるかを判断し、SSLを導入したか |
| 決済設定 | PayPal・クレジットカード決済の審査を公開日から逆算して申請したか |
| 消費税表示 | 税込み表示を基本にプラグインの設定を統一したか |
| 配送設定 | 商品ラインナップに合わせた送料設定方針を決めたか |
| 通知メール | テンプレートを編集し、テスト注文で実際の文面を確認したか |
ここまで紹介した設定は、どれも「サイトが正しく動くための準備」です。
ただ、決済のスムーズさ、会員登録のしやすさ、届くメールの分かりやすさは、実はすべてお客様が体験することそのものでもあります。
同じ機能を実装していても、確認画面の分かりやすさや、注文後に届くメール一通の言葉遣いで、お客様が感じる安心感は変わってきます。
技術的な準備を「機能を実装する作業」で終わらせず、「お客様がどう感じるか」まで意識することが、選ばれ続けるECサイトへの近道です。
このあたりの考え方は、AIで見た目が均一化する時代に、差がつくのは「顧客体験」でも詳しく扱っています。
WordPress+ECプラグインで自社ECサイトを作る場合、プラグイン選定・多言語対応・会員機能・決済・配送・通知メールという6つの技術的な項目を、公開前に決めておく必要があります。
どのECサービスを使うか、決済・物流・法務の準備はどうするか、あわせて冒頭でご紹介した2つの記事もご確認ください。
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