フリーランスとして仕事を続けていると、月によって入金額が大きく変わることに悩まされます。
多い月は50万円を超えることもあれば、少ない月は10万円台ということも珍しくありません。
私自身、Web制作の仕事を20年以上続けてきましたが、収入の波そのものをゼロにすることはできませんでした。それでも「収入の波はあっても生活が不安定にならない仕組み」を作ることはできます。
大前提は「収入>支出」の状態を維持し、月々の入金額の増減に生活そのものが振り回されないことです。
この記事では、私が実際にやっている資金管理の方法と、そもそも収入を安定させるために何をすべきかを、具体的な数字とあわせて紹介します。
まずは基本中の基本ですが、「収入>支出」の状態を保つことが重要です。
具体的には、事業経費と生活費を分けて把握し、それぞれの月平均額を出しておきます。
会計ソフト(freee、マネーフォワード クラウド確定申告など)を使えば、口座と連携させるだけで月々の収支が自動的にグラフ化されるので、どんぶり勘定を避けやすくなります。
支出の見直しは、削れる固定費から着手するのが効率的です。
使っていないサブスクリプション、過剰なスペックのサーバー契約、更新していないツールの月額課金などは、忙しさにかまけて放置されがちです。
月々の収入が変動する場合でも、個人の生活費は一定であることが理想です。
そのために、仕事用口座から個人用口座への振込額(いわば「自分への給料」)を毎月一定に設定します。
私が実際にやっている方法は、入金があるたびにその2〜3割を先に事業用の貯蓄枠へ移し、残りから自分への給料を毎月同じ金額だけ個人用口座に振り込むというものです。
収入が多い月は仕事用口座に残る金額が増え、少ない月はその貯蓄分から補填する形になります。
| 月の入金額 | 先取り貯蓄(25%目安) | 自分への給料(一定額の例) | 仕事用口座に残る/補填する額 |
|---|---|---|---|
| 50万円 | 12.5万円 | 25万円 | +12.5万円(残る) |
| 30万円 | 7.5万円 | 25万円 | ▲2.5万円(貯蓄枠から補填) |
| 15万円 | 3.75万円 | 25万円 | ▲13.75万円(貯蓄枠から補填) |
「自分への給料」の金額は、生活費の実績を3〜6ヶ月分集計してから決めると、後で無理が出にくくなります。決めた金額は年に1回、確定申告のタイミングなどで見直すとよいでしょう。
個人事業主にとって、税金の管理は収入の安定に直結します。
売上が多かった翌年は所得税・住民税・国民健康保険料がまとめて高額になりやすいため、入金時点でこれは将来の納税分と意識して先取りしておくことが欠かせません。
青色申告特別控除や小規模企業共済、経費計上の考え方など、節税・資金繰りの具体的な方法は別記事「フリーランスの税金や保険料について」で、比較表とあわせて詳しくまとめています。あわせてご覧ください。
予期せぬ収入減少や体調不良、急な出費に備えて、緊急資金を確保しておくことは非常に重要です。
目安としては、生活費の3〜6ヶ月分を事業用と生活用それぞれに分けて積み立てておくと安心です。
| フェーズ | 目安の緊急資金 | 備え方の例 |
|---|---|---|
| 独立1〜2年目 | 生活費3ヶ月分 | 毎月の「自分への給料」から一定額を自動積立 |
| 独立3〜5年目 | 生活費6ヶ月分 | 売上が良かった月の余剰分を優先的に積み増し |
| 子供がいる・住宅ローンありなど | 生活費6ヶ月分+αを目安に個別調整 | 教育費・住居費など固定支出の変動幅を先に把握 |
私自身は、100万〜150万円程度を緊急資金の目安として蓄えるようにしています。
金額の正解は世帯構成によって変わるので、まずは自分の毎月の固定支出を洗い出すところから始めるとよいでしょう。
収入源を多様化することで、特定のクライアントや案件に依存するリスクを下げられます。
複数の顧客と契約を結ぶ、制作だけでなく保守・運用サポートのような継続契約を持つ、といった形が代表的です。
ただし、ここで見落とされがちなのが「そもそも複数のクライアントから継続的に必要とされ続けるには何が必要か」という視点です。
単価の安い仕事を数多くこなして分散するだけでは、忙しさが増すばかりで根本的な安定にはつながりません。
収入源を多様化しても、個々のクライアントとの関係が「安いから頼んでいるだけ」の状態では、より安い制作者が現れた瞬間に契約は終わります。
逆に、クライアントにとって「この人に任せると安心できる」という体験を提供できていれば、価格だけで比較されにくくなり、継続発注や紹介にもつながりやすくなります。
これは制作物のクオリティだけの話ではありません。
問い合わせへの反応の速さ、打ち合わせでの説明の分かりやすさ、公開後のちょっとした相談への対応など、クライアントが感じる体験全体(顧客体験デザイン/CX)の積み重ねが、価格競争に巻き込まれない理由になります。
AIツールで誰でも一定水準の見た目が作れるようになった今、この差は今後さらに重要になっていくと感じています。
詳しくは「AIで見た目が均一化する時代に、差がつくのは「顧客体験」」でも触れています。
実際に、クライアントに評価されやすいフリーランスの立ち回り方については「フリーランスのウェブデザイナーがクライアントに評価されるポイント」でまとめていますので、あわせて参考にしてください。
| チェック項目 | 頻度 |
|---|---|
| 事業用・生活用の収支を会計ソフトで確認したか | 毎月 |
| 「自分への給料」を一定額振り込んだか | 毎月 |
| 納税分(所得税・住民税・保険料)を先取りできているか | 四半期ごと |
| 緊急資金の残高が目安(生活費3〜6ヶ月分)を割っていないか | 半年ごと |
| 特定のクライアント1社への売上依存度が高すぎないか | 半年ごと |
収入の変動が大きい個人事業主にとって、経済的な安定を保ちながらストレスを軽減するためには、いくつかの具体的なステップが重要です。
「収入>支出」の状態を維持し、毎月の個人用口座への振込額を一定にすることで、生活の安定を図ります。
また、税金や控除に関する知識を深め、緊急資金を確保することが、予期せぬ事態への備えになります。さらに、収入源の多様化と、クライアントに選ばれ続けるための顧客体験づくりの両方が、長期的な収入の安定を支えます。
貴社が選ばれる理由を、一緒につくらせてください。
貴社のサービスを通じて、お客様にどんな体験をしてもらいたいか
「理想の顧客体験シーン」を描き、様々なデザインを展開していきます。
まずはお気軽にご相談ください。