2024年、AIチャットツールに「この先10年、ウェブサイトはどのように発展または衰退すると考えられるか」と聞いてみたことがあります。
当時は興味本位の記事でしたが、あれから約2年が経ち、生成AIを取り巻く状況は当時の想像以上のスピードで動きました。
ここでは、2024年時点でもらった回答をあらためて振り返りつつ、「どこが当たっていて、どこが外れていたか」予測にはなかったが実際に起きたことを整理し、中小事業者・個人事業主のホームページ運営に何を意識すべきかまで踏み込んで加筆しました。
質問したのは「この先10年、ウェブサイトはどのように発展または衰退すると考えられるでしょうか」という、かなりざっくりしたものでした。
返ってきた回答を、発展する可能性のあるトレンドと、衰退する可能性のあるトレンドに分けて要約すると、以下のとおりです。
正直なところ、当時の感想としても「これまで聞いたことのある話ばかりでインパクトは弱い」というのが率直なところでした。
ただ、2年経った今見返すと、当たっている部分とそうでない部分がはっきり分かれてきています。
あれから約2年。
生成AIを取り巻く環境は、当時想像していた以上のスピードで変化しています。
そこで2026年現在、当時の予測をもう一度ChatGPTに見せて聞いてみました。
「2026年現在、これらの予測は当たってた?」
以下が、2026年のChatGPTによる答え合わせです。そのまま貼り付けてみます。
結論から言うと、「方向性はかなり当たっている。ただし、2024年時点で想像していた変化の中心と、実際に起きた変化の中心が違った」という評価になります。
特に大きなズレはこれです。
2024年の予測では「Webサイトそのものが高度化する」と考えていた。
実際の2026年は「Webサイトを見る前に、AIが情報を読んで答える」方向へ急速に進んだ。
ここが一番重要だと思います。
○ 当たっている。ただし、すでに予測というより既定路線だった。
Googleは2023年10月にモバイルファーストインデックスへの移行完了を発表し、さらに2024年7月5日以降は原則としてGooglebot Smartphoneでクロールする方針にしました。2026年現在もGoogleはモバイル版コンテンツをインデックス・ランキングに使用しています。Google for Developers
なので、モバイルファーストインデックスの影響がますます大きくなるというより、2026年から見ると、
「モバイル対応は競争力ではなく、完全に前提条件になった」
のほうが実態に近いです。
◎ 大当たり。ただし予想以上。
これは完全に当たりました。
ただし2024年に想像していた、
より、もっと根本的な変化が起きています。
Googleは2026年6月時点で、AI Overviewsが月間25億ユーザー超、AI Modeが月間10億ユーザー超と発表しています。さらに2026年5月には検索ボックス自体をAI中心に大幅刷新しています。blog.google
つまりAIは、
「Webサイトの中で使われる技術」
だけではなく、
「Webサイトへ行く前の情報探索そのもの」
を変えてしまった。
ここは2024年の予測よりずっと大きな変化です。
たとえば昔なら、
Google検索 → Webサイト → 複数ページを見る → 判断
だったものが、
AIに質問 → AIが複数サイトを読む → 要約・比較 → 必要ならWebサイト
になりつつあります。
Google自身もAI検索によって、より長く複雑な質問が増えていると説明しています。blog.google
だから今ブログを更新するなら、ここを主役にしたほうがいいと思います。
○ 当たり。ただし意味が変わってきた。
速度、アクセシビリティ、ナビゲーションが重要という予測自体はその通りです。
ただ2026年では、それだけだと少し古く感じます。
「操作しやすいサイト」だけではなく、
ユーザーがサイトを訪れる理由そのものを作れるか
が重要になってきています。
AIが、
「営業時間は?」
「料金は?」
「おすすめは?」
「○○と△△の違いは?」
といった情報取得を代行できるようになるほど、単純な情報閲覧だけならWebサイトを開く必要性が下がるからです。
これは、最近話していた顧客体験デザインの話ともかなりつながっています。
Webサイトの価値が、
情報を並べる場所 → ブランドや商品を体験し、最終判断する場所
へ寄っていく可能性がある。
これは2024年の予測にはあまり入っていなかったポイントです。
△ 今のところ外れ。
ここは明確に言っていいでしょう。
AR/VRを活用したインタラクティブなWeb体験が一般化する
2026年現在、一般化したとは言えません。
WebXR自体はChrome系では利用できますが、Safari/iOSやFirefoxでは依然として広く利用できる状態ではありません。Can I use
もちろん、
など一部用途では使われています。
でも普通の企業サイトを作る際に、
「ARを入れましょう」
とはならない。
2024年のAIが考えた「未来っぽい技術」を並べた感じが強い予測ですね。
△ 予想した形では来なかった。
これも面白い。
2024年当時は、
Alexa / Siri / Google Assistant
↓
音声検索が増える
↓
Voice Search SEOが重要になる
という未来像がよく語られていました。
ところが2026年に大きくなったのは、音声検索そのものより会話型AIでした。
しかも現在は、
をまとめてAIに渡して検索できる方向へ進んでいます。Googleも2026年の検索刷新で、テキスト・画像・ファイル・動画・Chromeタブなどを横断した検索を打ち出しています。blog.google
つまり、
「Voice Searchの時代」ではなく「Conversational / Multimodal Searchの時代」が来た。
これは予測修正ポイントですね。
こちらは逆に、かなり堅いです。
非効率なデザイン・UX → ○
モバイル対応、表示速度、アクセシビリティ、分かりやすいUIなどは完全に基本品質になっています。
セキュリティ・プライバシー → ○
これも重要性は上がっています。ただし「サードパーティCookieが完全になくなる」という単純な未来にはなりませんでした。Googleは2025年4月、ChromeでサードパーティCookie専用の新しい選択プロンプトを導入しない方針を発表しています。blog.google
過剰な広告・スパム → ○
これは引き続きUXを損ねる要因。ただ、2026年から見るともっと大きい問題はAIで大量生産された低価値コンテンツでしょう。
古い技術への依存 → △
ここは文章を修正したほうがいい。
「古い技術=競争力を失う」とは限らないからです。
WordPressやPHPやjQueryを使っているから競争力がない、という話ではありません。
むしろ2026年では、
技術が古いことより、ユーザーや検索・AIの行動変化に対応できないこと
のほうが問題です。
2024年の記事を2026年に振り返るなら、単純な「答え合わせ」にしないほうが面白い。
当時の予測を見ると、
モバイル、AI、UX、AR/VR、音声検索
ですよね。
全部、
「Webサイトにどんな技術が追加されるか」
という発想なんです。
ところが、わずか2年後に一番大きく変わったのはそこではなかった。
「人間がWebサイトをどう使うか」そのものが変わり始めた。
Google検索でさえ2026年にはAI Modeが月間10億ユーザーを超え、AI検索からWebへのクリックも発生する一方、検索画面自体で質問を掘り下げられるようになっています。blog.google
だから2024年の記事への2026年版の答えとしては、
10年後のWebサイトを予測していたら、2年後には「そもそも人はWebサイトを見るのか?」という話になっていた。
くらいの切り口が強い。
そして次に考えるべき問いは、
「AIが情報を探してくれる時代に、それでも人がわざわざ訪れたくなるWebサイトとは何か?」
だと思います。
2024年に「10年後のウェブサイトはどうなってるの?」とChatGPTに聞いてから、まだ2年しか経っていません。
でも今回あらためて聞いてみると、「ウェブサイトがどう進化するか」ではなく、「そもそも人はウェブサイトを見るのか?」という問いが生まれました。
かつてインターネットの普及で雑誌が衰退していったように、AIによりウェブサイトが衰退していくのも時間の問題だと言えるでしょう。
営業時間を知る。料金を調べる。商品を比較する。
そんな「情報を得るためにウェブサイトを見る」という行動は、これからAIに置き換わっていくのかもしれません。
だとしたら、これからウェブサイトに求められるものは何になるのでしょうか。
AIが情報を教えてくれる時代に、それでも人がわざわざウェブサイトを訪れる理由は何なのか…
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