「ECサイトを作りたいけど、何から始めればいいか分からない」
「Shopify?BASE?違いが分からない」
そんな疑問を持っている方のために、Web制作歴20年以上のフリーランスデザイナーが、主要なECサービスの特徴と、あなたの状況に合わせた最適な選び方を解説します。
難しい専門用語は使いません。各サービスの違いを理解して、自分に合ったものを選びましょう。
主要ECサービスを徹底比較
初心者向けから上級者向けまで、順番に紹介していきます。
1. BASE – 完全初心者向け
特徴:
- 初期費用・月額費用ゼロで始められる
- ○○○.thebase.in という無料のURLが自動で取得できる
- 決済、配送、在庫管理がすべてサービスに含まれている
- スマホアプリで簡単に管理できる
費用:
- 初期費用:0円
- 月額費用:0円(スタンダードプランは月5,980円)
- 決済手数料:6.6% + 40円/件(スタンダードプランは3.6% + 40円)
長所(メリット):
- リスクゼロで始められる(売れるまで費用ゼロ)
- 設定が簡単、5分で開設可能
- Apps(拡張機能)で機能追加できる
- クレジットカード、コンビニ決済、後払いなど主要決済に対応
- Instagram販売連携が簡単
短所(デメリット):
- 売上が増えると手数料が重くなる(月商30万円で約2万円の手数料)
- カスタマイズに限界がある(デザインテンプレートの範囲内)
- 独自ドメイン(例:yourshop.com)を使うには有料プランが必要
- SEO対策の自由度が低い
こんな人におすすめ:
- EC完全初心者
- まず売れるか試してみたい人
- 初期投資を抑えたい人
- 月商30万円以下の小規模EC
2. STORES – 初心者向け
特徴:
- BASE同様、無料プランから始められる
- デザインテンプレートが豊富でおしゃれ
- ○○○.stores.jp という無料URLが取得できる
- 日本企業が運営、サポートが手厚い
費用:
- 初期費用:0円
- 月額費用:フリープラン0円、スタンダードプラン2,178円
- 決済手数料:フリープラン5%、スタンダードプラン3.6%
長所(メリット):
- デザインテンプレートの質が高い
- 無料プランでも機能が充実
- 予約販売、定期販売などの機能が標準装備
- レジ機能(実店舗での販売)も使える
- サポートが日本語で丁寧
短所(デメリット):
- BASEと同様、売上が増えると手数料が重い
- 拡張アプリがBASEより少ない
- 独自ドメインはスタンダードプラン(月2,178円)から
こんな人におすすめ:
- デザインにこだわりたい初心者
- アパレル、雑貨、ハンドメイド販売
- 実店舗も持っている人(レジ連携できる)
- 日本語サポートが欲しい人
3. Shopify – 中級者向け
特徴:
- 世界で最も使われているECプラットフォーム(175カ国以上で利用)
- 拡張性が非常に高い(アプリが8,000種類以上)
- 多言語・多通貨対応で海外販売も簡単
- 自社ECサーバーはShopify側が用意(高速・安定)
費用:
- 初期費用:0円
- 月額費用:$33〜$399(ベーシック$33、スタンダード$92、プレミアム$399)※ベーシックプラン約4,600円/月
- 決済手数料:3.25%〜3.4%(Shopifyペイメント利用時)
長所(メリット):
- 決済手数料が安い(BASE、STORESより大幅に安い)
- 売上が増えても手数料負担が軽い
- カスタマイズ性が高い(HTML/CSS編集可能)
- アプリで機能拡張が自由自在
- 独自ドメイン接続が無料
- 楽天市場、Amazon、Instagramなど外部サービスとの連携が強い
- 管理画面が使いやすい
短所(デメリット):
- 月額費用が必ず発生する
- 管理画面が英語ベース(日本語化されているが、一部英語)
- 初期設定が少し複雑(BASE、STORESより難易度高め)
- アプリは有料のものが多い
こんな人におすすめ:
- 月商50万円以上を目指す人
- 将来的に海外販売も視野に入れている人
- 複数の販売チャネル(自社EC、Instagram、実店舗など)を統合したい人
- 長期的に本格的なECビジネスをやりたい人
4. WooCommerce – 中〜上級者向け
特徴:
- WordPress用のECプラグイン(無料)
- すでにWordPressサイトがあれば、そこに物販機能を追加できる
- 世界中で使われており、情報が豊富
- 自分でレンタルサーバーを用意する必要がある
費用:
- WooCommerce本体:無料
- サーバー代:月1,000円〜3,000円(エックスサーバー、さくらなど)
- 決済手数料:使用する決済サービスによる(3%〜)
- 有料拡張プラグイン:必要に応じて(0円〜数万円)
長所(メリット):
- WordPress利用者なら導入しやすい
- 既存のWordPressサイトに追加できる(新規でECサイトを作る必要なし)
- プラグインで機能拡張が自由
- カスタマイズ性が非常に高い
- 月額固定費が安い(サーバー代のみ)
短所(デメリット):
- 自分でサーバーを契約・管理する必要がある
- WordPressの知識が必要
- セキュリティ対策、アップデート管理を自分で行う
- 初心者には難易度が高い
- 決済サービスとの連携設定が手間
こんな人におすすめ:
- すでにWordPressサイトを運営している人
- WordPressの操作に慣れている人
- 自分でサーバー管理ができる、または制作会社に依頼できる人
- ECサーバーの費用を抑えたい人
5. EC-CUBE – 上級者・プロ向け
特徴:
- 日本製のオープンソースECシステム(完全無料)
- 完全カスタマイズ可能
- 日本の商習慣(代引き、後払い、熨斗対応など)に完全対応
- 自社サーバーにインストールして使う
費用:
- EC-CUBE本体:無料
- サーバー代:月1,000円〜5,000円(VPS推奨)
- 決済手数料:使用する決済サービスによる
- 構築費用(制作会社依頼の場合):30万円〜100万円以上
長所(メリット):
- 完全カスタマイズ可能(どんな機能でも実装できる)
- 月額固定費がかからない(サーバー代のみ)
- 日本の商習慣に完全対応
- 外部システム(基幹システム、POSなど)との連携が自由
- ソースコードを自由に改変できる
短所(デメリット):
- 技術的な知識が必須(プログラミング、サーバー管理)
- 初期構築に時間とコストがかかる
- セキュリティ対策、アップデートをすべて自分で管理
- 完全初心者には不可能(制作会社への依頼必須)
- サポートは基本的にコミュニティベース
こんな人におすすめ:
- 独自の複雑な機能が必要な人
- 既存の業務システムと連携したい企業
- 長期的に大規模ECを運営する予定の人
- 技術者がいる、または制作会社に継続的に依頼できる人
- すでにレンタルサーバーを契約しており、それを活用したい人
ECサービス比較表
| サービス | 初期費用 | 月額 | 決済手数料 | 難易度 | カスタマイズ性 | 独自ドメイン |
|---|
| BASE | 無料 | 無料〜 | 6.6%+40円 | ★☆☆☆☆ | ★★☆☆☆ | 有料プランで可 |
| STORES | 無料 | 無料〜2,178円 | 5%/3.6% | ★☆☆☆☆ | ★★☆☆☆ | 有料プランで可 |
| Shopify | 無料 | $33〜 (約4,600円) | 3.25%〜 | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ | 無料で可 |
| WooCommerce | 無料 | サーバー代 1,000円〜 | 別途 | ★★★☆☆ | ★★★★★ | 自由 |
| EC-CUBE | 無料 | サーバー代 1,000円〜 | 別途 | ★★★★★ | ★★★★★ | 自由 |
あなたに最適なサービスはどれ?パターン別おすすめ
自分の状況に当てはまるパターンを見つけてください。
パターン1:完全初心者、何も持っていない
おすすめ:BASE
理由: あなたが「とりあえず売れるか試したい」「初期投資したくない」という状況なら、BASEが最適です。
サーバーもドメインも不要で、メールアドレスだけで今すぐ始められます。売れるまで費用ゼロなので、リスクなくスタートできます。
設定も5分で完了します。まずはBASEで月商10万円を目指しましょう。月商30万円を超えたら、Shopifyへの移行を検討してください。
パターン2:デザインにこだわりたい初心者
おすすめ:STORES
理由: 「おしゃれなECサイトを作りたい」「ブランドイメージを大切にしたい」という方には、STORESがおすすめです。
BASEよりもデザインテンプレートの質が高く、アパレルや雑貨、ハンドメイド作品の販売に向いています。
無料プランでも十分な機能があり、スタンダードプラン(月2,178円)にすれば独自ドメインも使えます。実店舗のレジ機能も使えるので、ポップアップストアなどを考えている方にも最適です。
パターン3:本格的に稼ぎたい、月商50万円以上を目指す
おすすめ:Shopify
理由: 本気でECビジネスをやるなら、Shopify一択です。
BASEやSTORESは手軽ですが、売上が増えると手数料が重くなります。
Shopifyは月額約4,600円かかりますが、決済手数料が3.25%と圧倒的に安いため、月商50万円を超えるとトータルコストはShopifyの方が安くなります。
費用比較(月商50万円の場合):
- BASE:手数料33,000円 + 月額0円 = 33,000円
- Shopify:手数料16,250円 + 月額4,600円 = 20,850円
さらに、アプリで機能拡張ができ、Instagram、楽天、Amazonとの連携も簡単です。
将来的に海外販売も視野に入れているなら、最初からShopifyを選ぶべきです。
パターン4:すでにWordPressサイト・サーバーをお持ちの方
おすすめ:WooCommerce
理由: すでにWordPressでホームページを運営していて、そこに物販機能を追加したいなら、WooCommerceが最適です。
新たにECサイトを別に作る必要がなく、既存サイトに通販機能を追加できます。
サーバーも既存のものを使えるので、追加コストはほとんどかかりません。
ただし、WordPressの知識が必要なので、自信がない場合は制作会社に設定を依頼しましょう(設定費用10万円〜)。
パターン5:本格的な自社ECサイトが欲しい方、独自機能が必須
おすすめ:EC-CUBE(制作会社に依頼)
理由: 「BtoB機能が必要」「定期購入システムを独自に作りたい」「基幹システムと連携したい」など、独自の複雑な機能が必要な場合は、EC-CUBEしか選択肢がありません。
すでにレンタルサーバーを契約している方は、そのサーバーにEC-CUBEをインストールすることで、月額費用を抑えられます。
ただし、EC-CUBEは技術的に高度なので、必ず制作会社に依頼してください。
構築費用は30万円〜100万円かかりますが、長期的に見ればカスタマイズ性と柔軟性で元が取れます。
よくある質問
Q. サーバーって何ですか?必要ですか?
A. サーバーは、Webサイトのデータを保管する場所です。
BASE、STORES、Shopifyを使う場合:サーバーは不要です。サービスに含まれています。
WooCommerce、EC-CUBEを使う場合:自分でレンタルサーバー(エックスサーバー、さくらなど)を契約する必要があります。
初心者は、サーバー不要のBASE、STORES、Shopifyを選びましょう。
Q. ドメインって何ですか?
A. インターネット上の住所です。例:yourshop.com
独自ドメインを持つと、ブランド力が高まり、SEO的にも有利となるので、独自ドメインの取得を推奨します。
BASE、STORESの無料プラン:○○○.thebase.in、○○○.stores.jp という無料URLが使える(独自ドメインは有料プラン必要)
Shopify:独自ドメイン接続が無料でできる
WooCommerce、EC-CUBE:自由に設定可能
まずは無料URLで始めて、売上が立ってから独自ドメインを取得するのもアリです。
Q. ECサーバーの容量は気にしなくていいですか?
A. BASE、STORES、Shopifyを使う場合は気にしなくてOKです。
サービス側が自動的に容量を確保してくれます。
WooCommerceやEC-CUBEで自分のサーバーを使う場合は、商品画像が増えると容量が必要になるので、最低10GB以上のサーバーを選びましょう。
Q. 途中でサービスを乗り換えられますか?
A. 可能ですが、手間とコストがかかります。
データ移行:商品情報、顧客情報はCSVでエクスポート→インポートできることが多い
デザイン:新しいサービスで作り直す必要がある
URL変更:独自ドメインを使っていれば、ドメインは維持できる(○○○.thebase.in から移行する場合は、URLが変わる)
おすすめの流れ: BASE(無料)→ 月商30万円超えたらShopifyへ移行
まとめ:あなたに最適な自社ECの始め方
完全初心者 → BASE
- 初期費用ゼロ、リスクなし
- 5分で開設できる
- 月商30万円までならこれで十分
デザイン重視 → STORES
- おしゃれなテンプレート
- アパレル、雑貨に最適
- 実店舗レジ連携も可能
本格的にやる → Shopify
- 月商50万円以上を目指すならこれ
- 決済手数料が安い
- 拡張性が高い
WordPressサイトあり → WooCommerce
- 既存サイトに追加できる
- サーバー代のみで運営可能
- WordPress知識が必要
独自機能必須 → EC-CUBE
- 完全カスタマイズ可能
- 制作会社への依頼必須
- 初期費用30万円〜
次のステップ:運営準備を忘れずに
ECサービスを選んだら、次は運営準備です。
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