公式サイトの表示速度を改善するだけで予約率が上がる理由——ホテル・旅館のサイト高速化でできること

ホテル・旅館

「自社サイトを作り直したのに、なかなか予約につながらない」
そんなお悩みをお持ちのホテル・旅館の担当者の方は、一度自社サイトの表示速度を確認してみてください。

実は、ページが表示されるまでの速さは、お客様の離脱率や予約率に直接影響しています。
ウェブデザイナーとして約20年、さまざまな宿泊施設のサイト改善に携わってきた経験から言うと、デザインは良いのに予約が入らないサイトの多くは、表示速度の問題を抱えているケースが少なくありません。

今回は、難しい技術的な話は極力省きながら、なぜ表示速度が直予約に影響するのか、そして今日から改善できる具体的なポイントをお伝えします。

表示速度がなぜ直予約に影響するのか

「3秒ルール」——お客様はすぐ離れてしまう

Googleの調査(2016年)によると、モバイルサイトの読み込みが3秒を超えると、訪問者の53%がページを離脱してしまうというデータがあります。
つまり、せっかくGoogleやSNSから公式サイトに来てくれたお客様の半数以上が、ページが開く前に離れてしまうかもしれないということです。

特にホテル・旅館のサイトは、美しい写真や動画を多用するケースが多いため、画像ファイルが重くなりがちです。
魅力を伝えたいという気持ちから大きな写真を掲載したことで、逆にお客様が離れてしまっているケースも珍しくありません。

「良いコンテンツも、届かなければ意味がない」という現実は、とてもシンプルですが重要な事実です。

Googleの検索順位にも影響する——SEOと表示速度の関係

表示速度はお客様の体験だけでなく、Googleの検索ランキングにも影響します。
2021年から、Googleは「Core Web Vitals(コアウェブバイタル)」と呼ばれる表示速度・安定性に関する指標を、検索順位の評価基準に組み込みました。

これは、「表示速度が遅いサイトは検索で不利になる」ということを意味します。
逆に言えば、表示速度を改善することで、競合サイトよりも検索上位を狙えるチャンスが生まれるということでもあります。

OTAに手数料を払い続ける構造から脱却し、Googleからの自然流入で直予約を増やすためには、表示速度の最適化は避けて通れない施策です。

Core Web Vitalsとは?3つの指標をわかりやすく解説

「Core Web Vitals」という言葉は難しく聞こえますが、要はGoogleが「良いウェブサイト体験」を測るための3つの指標のことです。それぞれ何を意味するのか、担当者の方にもわかりやすくお伝えします。

LCP(Largest Contentful Paint)——メインコンテンツが表示されるまでの時間

LCPは、ページを開いてから一番大きなコンテンツ(多くの場合、トップページのメイン写真やファーストビューの画像)が表示されるまでの時間を指します。

Googleが「良好」と判断する目安は2.5秒以内です。
ホテル・旅館のサイトでよくある、大きなトップ画像がなかなか表示されないという状態は、まさにこのLCPが悪化しているサインです。

LCPを改善するには、トップの画像サイズを最適化することが最初のステップになります。

INP(Interaction to Next Paint)——操作への反応速度

INPは、お客様がボタンをクリックしたり、メニューをタップしたりしたときに、画面がどのくらい素早く反応するかを示す指標です。

予約ボタンを押したのに反応が遅い、カレンダーの操作がもたつくといったネガティブな体験は、お客様の予約しようという気持ちを一瞬で冷やしてしまいます。

スマートフォンからの閲覧・予約が主流になっている今、INPの改善は直予約率に直結します。

CLS(Cumulative Layout Shift)——ページのガタつき

CLSは、ページを読み込んでいる途中でコンテンツが突然ガタッとずれる現象を指します。

“予約ボタンを押そうとしたら、直前に広告が出てきてずれてしまった”というような体験がこれにあたります。

ページのガタつきが多いサイトは、ユーザーにストレスを与えるだけでなく、誤タップによる不信感にもつながります。画像のサイズを事前に指定したり、フォントの読み込みタイミングを調整したりすることで改善できます。

担当者でも今日から確認できる!表示速度改善の第一歩

まずはPageSpeed Insightsで現状を確認する

Googleが無料で提供している「PageSpeed Insights(ページスピードインサイツ)」というツールを使えば、自社サイトの表示速度とCore Web Vitalsのスコアを簡単に確認できます。

PageSpeed Insightsの画面に自社サイトのURLを入力するだけで、0〜100点のスコアが表示され、改善が必要な項目を具体的に教えてくれます。

スコアが60点以下であれば、表示速度の改善が急務と考えてください。

自社のスコアが何点か知らないという施設は、ぜひ今日中に確認してみてください。
スコアを知ることが、改善への第一歩です。

PageSpeed Insightsの診断結果画面

画像を軽くするだけで大きく変わる

表示速度を遅くしている原因の多くは、画像ファイルのサイズです。デジタルカメラやスマートフォンで撮影した画像はデータが非常に大きく、そのままサイトに掲載すると表示速度を大幅に落とします。

画像を圧縮・最適化することで、画質をほとんど落とさずにファイルサイズを大幅に削減できます。「Squoosh(スクーシュ)」や「TinyPNG(タイニーピング)」といった無料のオンラインツールを使えば、専門知識がなくても画像の軽量化が可能です。

特にトップページのメイン画像やスライドショーは、ファイルサイズが大きくなりやすい箇所です。ここを最適化するだけで、LCPスコアが劇的に改善するケースも少なくありません。

技術的な改善はウェブ制作会社への相談を

画像の最適化は担当者でも取り組めますが、サーバーの設定変更・JavaScriptの圧縮・キャッシュの最適化といった技術的な改善は、ウェブ制作会社やエンジニアへの依頼が必要になります。

PageSpeed Insightsで確認した「改善が必要な項目」を制作会社に共有し、「Core Web Vitalsのスコアを改善したい」と相談するのが最も効率的です。現在のサイトを作った制作会社がいれば、まずそちらに相談してみてください。

もちろん、当方でも対応可能です!

まとめ:表示速度の改善は、見えない機会損失をなくす施策

表示速度の改善は、デザインの刷新や新コンテンツの追加と違って「見た目」が変わりません。
そのため後回しにされがちな施策ですが、実はそれこそが見えない機会損失を生み出している原因になっていることがあります。

ページを開く前に離れたお客様はアクセス解析にも映りません。
でもその数が、毎日積み重なっているとしたら——と考えると、取り組む意義が見えてくるのではないでしょうか。

まずは今日、PageSpeed Insightsで自社サイトのスコアを確認するところから始めてみてください。スコアを把握することで、次に何をすべきかが自然と見えてきます。

表示速度の改善に限らず、自社サイトのどこから手をつけるべきかわからないという方は、お気軽にご相談ください。施設の状況に合わせて、優先順位をつけた改善プランをご提案します。

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PROFILE

本間智久
MAMEプロダクションという屋号で、フリーランスのウェブデザイナーとしてお仕事しています。
 
広告や販促物のグラフィックデザイナーを務めた後、求人サイト運営会社にてウェブデザイナーとして勤務。
サイトの運営、リニューアル、特集コンテンツのディレクションや作成、SEO内部施策などの業務を担当。
2012年に独立。
 
趣味は、テレビゲームと酒場巡り。