“デザイン一発OK”は本当に良いこと?フリーランスWebデザイナーの本音

ホームページ制作

Webデザインの仕事をしていると、たまに「一発OK」をいただくことがあります。
デザイン案を出したその日に「完璧です!このままでお願いします」と言われると、自分の提案が受け入れられたようで正直うれしいです。

でもその一方で、「ちょっと怖さもある」のが本音。
本当にこれで良いのかな?もっと良くできたかもしれないのに……と、モヤっとすることもあります。

今回は、“一発OKは本当に良いことなのか?”というテーマで、フリーランスのWebデザイナーとしての考えをお話しします。

一発OKは嬉しい。でも、不安もある。

「一発OK」は、

  • 手戻りがない
  • スムーズに進む
  • 時間やコストが節約できる

という意味で、プロとして評価されたような気持ちになる場面もあります。

でも実は、その裏でこんな不安もよぎります。

一発OKのときに感じる不安

  • クライアントの想い、本当に汲み取れている?
  • 「もっとこうしたい」があったけど、遠慮されたのでは?
  • そもそもちゃんと見てもらえた?急ぎすぎてない?

デザインは「見た目がきれい」だけでなく、伝えたいことが伝わっているかが大事。
だからこそ、「これでいいや」ではなく「これがいいね」と言ってもらえるプロセスを大切にしたいと思っています。

デザイン修正は失敗ではない

「修正=ミス」ではありません。
むしろ私は、フィードバックをもらいながら育っていくデザインの方が、強く深いものになると考えています。

たとえば、修正の中でこんな発見が生まれます。

修正の中で気づけること

  • ターゲット層に合わせた色使いや雰囲気
  • 表現の言葉や導線の工夫
  • 思っていたより「強み」とされている点が別にあった

このような“リアルな気づき”があるからこそ、より成果につながるサイトに近づいていくのです。

フリーランスとして大切にしていること

私が大切にしているのは、クライアントの声をしっかり取り入れることです。
なぜなら、クライアントこそが「自分のビジネス」と「お客様のこと」を一番よく知っているからです。

クライアントから得られる視点

  • 来てほしいお客様像
  • よくある質問・不安・決め手
  • 現場でのリアルな課題や成功体験

これらは、ヒアリングだけではわからない“現場の知恵”。
会話を重ねるなかで、デザインに深みが加わっていきます。

さらに、私はデザインには「内側に効く力」もあると考えています。

デザインが社内にもたらす変化

  • 新しいホームページで、従業員のモチベーションが上がる
  • 採用や取材時に「しっかりした会社だね」と言われる
  • 自分たちのサービスに、誇りが持てるようになる

だからこそ、私は「一緒につくる」ことを大切にしています。
一発OKで終わるよりも、“じっくり育てていく”デザインの方が、私には合っていると思います。

おわりに:プロセスこそ、価値がある

私は、最初の提案を“完成形”として提出することはあまりありません
むしろ「7割くらいの形」で出して、そこからクライアントと一緒に仕上げていくつもりでいます。

なぜなら、最初からすべてを完璧に見せることよりも、

  • クライアントの言葉を受け取り
  • 一緒に考え
  • 試行錯誤しながら磨いていく

このプロセスこそが、本当に価値あるデザインにつながると信じているからです。

だから私は「一発OK」を目指していません。
「一緒に作ってよかった」と思ってもらえる仕事を目指しています。

PROFILE

本間智久
MAMEプロダクションという屋号で、フリーランスのウェブデザイナーとしてお仕事しています。
 
広告や販促物のグラフィックデザイナーを務めた後、求人サイト運営会社にてウェブデザイナーとして勤務。
サイトの運営、リニューアル、特集コンテンツのディレクションや作成、SEO内部施策などの業務を担当。
2012年に独立。
 
趣味は、テレビゲームと酒場巡り。