ホテル・旅館の公式サイトを訪れるお客様は、白紙の状態で来るわけではありません。
楽天トラベルやじゃらんで施設を見つけ、口コミをいくつか読み、他の候補と比べながら、「もう少し詳しく知りたい」と思って公式サイトに来ています。
つまり、公式サイトに辿り着いた時点で、すでにある程度の興味を持っているお客様です。
それなのに、公式サイトが「うちの宿をはじめてご紹介します」というつくりになっていたとしたら、どうでしょう。お客様が本当に確認したい情報を提供できずに、予約の機会を失うかもしれません。
ウェブデザイナーとして約20年、ホテル・旅館のサイト制作にも携わってきた経験から言うと、直予約につながる公式サイトと、そうでないサイトの差はここにあります。
公式サイトは「OTAの続き」として設計することが、直予約を増やすための第一歩と考えています。
実際にホテルを予約するときのことを思い浮かべてください。
OTAで気になる宿を見つけたら、次に何をしますか?
おそらく「公式サイトも見てみよう」と思うはずです。
このとき、お客様の頭の中にはすでにいくつかの疑問があるはずです。
公式サイトに来る目的は、これらの疑問を解消することです。
「情報を探しに来ている」のではなく、「自分がOTAで感じた印象が正しいかどうか確認しに来ている」、そういうイメージです。
OTAには掲載できる写真の枚数や文字数に制限があります。
どれだけ魅力的な宿でも、OTAだけでは伝えきれない情報があるのが現実です。
だからこそ、公式サイトの出番があります。
OTAでは見せきれなかった部屋の隅々まで、料理のこだわりや食材の産地、館内の雰囲気など、こういった深い情報を公式サイトで補完することが、お客様の不安を解消し、予約の決め手になります。
公式サイトは、ただ自社をアピールする場ではなく、OTAで気になってくれた人の疑問に答える場とする。この役割の違いを意識するだけで、サイトに載せるべき情報がはっきり見えてきます。
公式サイトに来たお客様がまず確認するのは、写真です。
OTAで数枚見た写真の続きを見に来ていると考えてください。
写真の枚数が少ないと、「OTAより情報が少ない」という残念な印象を与えてしまいます。
特に充実させてほしいのが、部屋・料理・館内の3カテゴリの写真です。
写真の質も大切です。
暗い・ピンぼけ・散らかった状態の写真は、それだけで宿への信頼感を下げてしまいます。
プロのカメラマンに依頼できれば理想ですが、スマートフォンでも自然光を活かした明るい撮影を心がけるだけで、見違えるほど変わります。
もう一つ見落としがちなのが、OTAの写真や説明文と、公式サイトの雰囲気に大きなズレがないかどうかです。
たとえば、OTAでは落ち着いた大人向けの宿として紹介されているのに、公式サイトのデザインがにぎやかでカジュアルだったとしたら、お客様は「どっちが本当の雰囲気なんだろう」と不安になります。このギャップが、離脱や予約キャンセルにつながることがあります。
OTAと公式サイトは、あくまでも「同じ宿の、異なる入口」です。
写真のトーン・言葉のテイスト・訴求しているターゲットが一致しているかどうか、一度見直してみてください。
写真や基本情報で「この宿に泊まりたい」という気持ちが固まったお客様に、ホテル宿から最後にご提案したいのが、OTAではなく公式サイトから予約する理由です。
ここで有効なのが、OTAには絶対に載せられない「公式サイト限定の情報」です。
こういった情報は、OTAのフォーマットには収まりません。
だからこそ公式サイトにしか載せられず、公式サイトに来た人だけが知れる「特別感」が生まれます。
OTAの掲載情報はどうしても「部屋の広さ○○㎡」「最大○名様」といったスペック中心になりがちです。公式サイトでは、そこから一歩踏み込んで「体験」として伝えることができます。
「露天風呂付き客室」と書くだけでなく、「朝、誰にも邪魔されずに温泉に浸かりながら、山の緑を眺める時間」のように表現する。
スペックを体験に変換することで、お客様の「ここに泊まったらどんな時間が過ごせるか」というイメージが具体的になり、予約への後押しになります。
公式サイトに来るお客様は、すでにある程度興味を持っています。
OTAや口コミを経由して、「もっと知りたい」と思って来ている人たちです。
だからこそ公式サイトに求められるのは、「宿を紹介すること」ではなく「OTAでは伝えきれなかった情報で、お客様の疑問に答えること」です。
充実した写真でOTAの続きを見せ、OTAとのギャップをなくして信頼を担保し、公式サイトにしかない情報で予約の理由をつくる。
この3つが揃ったとき、公式サイトはOTAに勝てる直予約の入口になります。
自社の公式サイトがOTAの続きとして機能しているかどうか、一度OTAと見比べながら確認してみてください。「写真の枚数が全然違う」「雰囲気がずれている」という気づきが、改善の第一歩になります。
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