【松楓楼松屋様】客室の魅力を最大限に伝えるための情報設計とUI改善リニューアル

https://www.matsuya.org/

塩原温泉にある老舗旅館「松楓楼松屋」様のウェブサイトを全面リニューアルしました。

前回の刷新（2017年）から6年が経ち、新しい客室の誕生をきっかけに「旅館としてのこれからの姿」を示すサイトへと進化させたい、という強い想いを受けてのプロジェクトでした。

クライアントの課題とリニューアルの目的

松屋様は4タイプ・全22室ある露天風呂付き客室が大きな魅力。

しかし以前のサイトでは、下記のような問題を抱えていました。

• 全客室が1ページにまとめられており、違いが伝わらない
• 客室ごとの魅力を比較・検討しにくい
• 料金体系が複雑で、ユーザーが迷いやすい

また、新設された客室が「旅館としての新しい方向性を象徴する存在」であることから、ブランディング面でもサイト全体の再構築が求められていました。

取り組んだ施策

1. 客室ごとにページを個別化

まず、以前まで1ページにまとめられていた客室ページを、1部屋ごことに1ページ作成しました。
これにより、各客室の特徴をしっかり伝えられるようになりました。

また、「どの部屋を見ているか」が一目でわかるよう、画面左端に現在の客室名を常時表示するUIを設計。
ユーザーが迷子にならず比較検討しやすい導線を作りました。

2. 写真の強化

松屋様の一番の強みは、塩原渓谷の絶景を望む客室。

そのため撮影では、下記のポイントにこだわりました。

• 客室から見える景色
• 時間帯による光の表情
• 露天風呂からの眺め

これらを徹底的にこだわり、泊まる前から優滞在が想像できる写真体験を重視しました。

3. 複雑な料金体系をUIで解決

宿泊料金は「部屋タイプ × 人数 × 食事 × 曜日」など、多数の組み合わせが発生します。

これまではPDFで料金の一覧表を見せていましたが、
今回のリニューアルでは、部屋ごとに料金を確認できるようにしました。

• プルダウンで条件を切り替えられる料金表
• 「1室2名」「1室3名」などユーザー視点の選び方に統一

といったUI設計で、迷いなく料金が見れる仕組みを整えました。

4. すべての情報を“旅館のこだわり”として見える化

松屋様は「料金も詳細も、すべてユーザーに正しく伝えたい」という方針をお持ちでした。

その想いを反映し、

• 客室設備
• 露天風呂の種類
• 夕食・朝食
• アメニティ
• 予約時の注意点

などを、抜け漏れなく整理・構造化して掲載しました。

制作後記

今回のリニューアルは、構想から完成まで約1年。
何度も現地に足を運び、松屋様と一緒に旅館の未来像を言語化しながらデザインを固めていきました。

「どの客室の魅力をどう表現するか」
「松屋さんらしさとは何か」

こうした対話を重ねる中で、プロジェクト全体に一体感が生まれ、結果として精度の高いサイトが完成しました。

また、打合せ後にお部屋をご提供いただき、時にはお酒をご一緒させていただくことも。
信頼関係を築きながらつくり上げた、とても思い入れのあるプロジェクトとなりました。