デザイン良書「チップ・キッドのグラフィックデザイン・ガイド」

最近わたしは、グラフィックデザイン関連の本ばかり読んでいます。
若いころ怠っていたグラフィックデザインの勉強を、
今になって学び直しているのです。
そんななかで出会った「チップ・キッドのグラフィックデザイン・ガイド」は、
グラフィックデザインの教科書的な本で、
デザイン手法をわかりやすく伝えてくれる良書でした。

第一章では「フォーム」と題して、
見た目の違いで、どんな効果があるのかを説明しています。

「大きい」と「小さい」で、どんな違いがあるのか
「明るい」と「暗い」で、どんな違いがあるのか
「左から右」と「右から左」で、どんな違いがあるのか
など、
普段Adobeのアプリケーションで行っている作業を、
細分化して、手法による印象の違いを説明しています。
第二章では「タイポグラフィ」について。
書体やカーニング(文字と文字のスペース)によって、
タイポグラフィだけでも、違う印象をあたえることができる、と。
第三章は「内容(CONTENT)」
「フォーム」や「タイポグラフィ」で、
どんな印象を与えるか、ある程度コントロールすることができるが
「内容」に適した印象を与えることが、グラフィックデザインだと。

第四章は「コンセプト」。
「フォーム」+「タイポグラフィ」+「内容」
=「グラフィックデザイン」
となるが、忘れていけないのが「コンセプト」だと。
本書では、コンセプトを以下のように説明している。
“コンセプトとは、問題をどうやって解決するかというアイデアのこと。
「内容」と「フォーム」の橋渡しをする存在だ。”
「内容」を「フォーム」に落とし込んで表現する手段は無数に存在する。
そこで「コンセプト」を用いることで、表現の手段が絞り込まれる。
また「コンセプト」は思いつきや運頼みではなく、
「内容」や「取り扱っている問題」のなかに見いだせる
と、チップ・キッドは言っています。

「EXIT」はエレガントに表現するべきでない。わかりやすく、はっきりと。
まとめ
これまで読んできたグラフィックデザインの本の多くは、
著者の経験談や自身のグラフィックデザインを紹介するものが多いという印象でした。
「チップ・キッドのグラフィックデザイン・ガイド」は、
そのタイトルの通り、グラフィックデザインの教科書的な一冊であり、
グラフィックデザインをこれから学びたい人にピッタリの良書だと思います。
興味があれば、是非一度読んでみてください。